土が岩石が風化などによって出来るが、植物が繁茂できないものを土壌とはよばない。
微生物が棲み・・・・。
この微生物は植物の枯れ葉、死骸があるところに棲む微生物のことである。
ここには微生物による炭素循環が構築されている。
地球の大気に含まれている炭酸ガスの循環である
  (循環には炭素循環、酸素循環、窒素循環、水の循環・・・・などがある)
植物が緑の色素・・・葉緑素を具備したときから光合成で大氣の炭酸ガスをエネルギー源にすることが出来た。
植物の死骸は、光合成で作られた炭水化合物で出来ている。
これを食べる微生物が出現する・・・。
地球の地表には毎年膨大な植物枯れ葉、
死骸が生まれている。
それが微生物で分解され土壌を形成している。


花崗岩が岩盤の屋久島。
この土壌に7000年の大王杉が生きている。
自然は植物に優しくはない!
なぜ生き延びられたか????
共生菌が助けたからである。
近頃・・・ようやくこのことがわかってきた!
これまでは・・・屋久島という地形が・・・気候が・・・雨が関係しているとされてきた。
土壌分析と環境である。
しかし、それだけではなかったのである。
土壌微生物・・・共生菌が深く関与していたということである。

この講座の「ラン菌による炭素循環栽培法」というのは、
この土壌の化学分析で行う栽培ではなく、地球の炭素循環の中で植物は生きているという、
原理原則・・・根本を栽培に導入した栽培法である。


ローマ帝国は滅んだ。
なぜ滅んだ?????
多くの研究家は・・・・視点を換えて・・・各方面から分析している。
国家が滅ぶのは・・・・政治、戦争によるものが多い。
しかし、視点を食料に置いたとき、ローマ帝国滅亡は・・・・農業崩壊、つまり土壌滅亡で起こった。
ローマ帝国を滅ぼしたのは土壌微生物であった。
強大なローマ帝国を支えるには・・・・豊な農業生産が絶対の条件である。
支配エリアの中央アジア、地中海地方、北アフリカに及ぶ地域では、
土壌からの収奪が行われローマ市民の胃袋を満たした。
このローマの胃袋を支えてきたのは、地球が太古から行ってきた植物死骸の炭素循環で出来た土壌である。
この微生物が作ってきた土壌から・・・・収奪を繰り返したとき、
地中海気候の土壌の炭素循環はローマ帝国より先に崩壊し滅亡していたのである。
生産性は次第に減少し、ローマの胃袋を満たすことは出来なくなった。
人間は哀しい動物である、自分でエネルギーを作り出すことは出来ない。
他から植物、動物を食べて飢えを凌ぐ。飽食を満たす。
民衆に飽くなき欲求に応える食料を確保できなくなったとき、皇帝の権力は失墜する。
日本の大名も領地の争奪に明け暮れた!

ローマ帝国から収奪され尽くした土壌の微生物を調べれば、
生息する微生物の種類が異なっているのである。
目に見えない土壌の中で、ローマ大帝国は音もなく崩壊が進んでいたのである。
この土壌からの収奪は植民地政策・・・・現在でも激しく行われ、肥沃な土壌は砂漠化されている。
砂漠の土を「土壌」といわない!
微生物による炭素循環がないからである。
鉢物栽培でも用土は2,3年で疲弊する。
なぜか???
鉢に炭素循環がないからである。
どんな植物でも、鉢栽培すれば、2,3年ごとに新しい用土で植え替えなければならないのは、
用土が疲弊するからである。

ここで、なぜローマ帝国滅亡を持ってきたかというと、
現在のラン栽培でも、このことと全く同じことがいえるからである。
自生地というのは、人間が土足で入らない限り、地球古来の植物死骸が作った炭素循環が構築されている。
必ず微生物バランスが構築されている。
枯れ葉、死骸を分解する好気性菌である材木腐朽菌が生息している。
着生ランの棲む木の上にも貧しいけれども構築されている。
岩の裂け目、窪みにも枯れ葉が溜まり・・・構築されている。
ここに棲む菌が・・・・ラン菌であれば・・・ここにランが芽生えることが出来る。
こういうところからランを山堀りし、栽培を始めるとき、
自生地の枯れ葉、死骸の微生物、炭素循環など全く削除して、
ラン菌のいない、炭素循環のない水ゴケ、軽石、バーク、杉皮、ヤシ繊維・・・・で植える。
この用土は・・・・ランから見れば・・・・ローマ帝国滅亡時の畑の土と同じである。
砂漠に土にランを植えて、肥料を与えて栽培しているようなものである。

ランは菌根植物である!
一般の植物より・・・共生菌との関係は深い。
こういう植物を、他の植物でも良く育たない水ゴケ、バーク、軽石、杉皮、ヤシ繊維での栽培。
更に、ラン菌削除。
私達のこれまでのラン栽培は、とんでもない大きな誤りを犯してきた。
ランが滅亡するのは時間の問題になる!

つまり植物が繁茂できない用土を使い、肥料で栽培出来るという錯覚、誤解で行ってきたということである。


ようやく、共生菌が・・・・ラン以外の植物でも研究され始めてきた。
しかし、ここでも、ラン科植物から研究されることはない。
ラン科植物が研究の材料としては・・・栽培が困難すぎるから、研究室で手に負えないからかもしれない。
本当は、植物進化の頂点にあるランの菌根から研究すれば・・・・
植物全体の共生菌、内生菌が見えるのかもしれない。

有機農法の中にも・・・・ラン科植物に視点を置いいるものはない。
好気性菌による炭素循環の糖、糖質が削除され、ほとんど嫌気性菌による窒素循環である。
ローマ帝国時代・・・それ以前から嫌気性菌によるワイン、チーズ生産が行われて来た。
人間が関った菌は・・・・嫌気性菌であり、有機農法で使われる菌もそれである。
しかし、地球の地表の主役は、枯れ葉、死骸を分解する好気性菌の材木腐朽菌である!
自然界は循環である。
収奪ではない。
収奪すれば、焼畑に見るように数年で土壌は疲弊する。
これを何十年も行えば・・・当然不毛の地になる。

この講座は、これまで焦点の当たらなかった好気性菌の材木腐朽菌をクローズアップした栽培法である。
最も自然の法則に適った栽培法であろう。




土壌とは微生物が生息して植物を繁茂させる土のことである。
   
  
ローマ帝国滅亡は
         土壌滅亡が原因であった

kouza 2sss

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